寝心地の良い寝具とはまず第一に敷き寝具、ベッド、マットレスが体圧分散機能に優れたものであること。 体圧分散とは人が横たわる際に身体に掛かる自身の圧力であり、人の肉体の特徴からそれが一部に集中して掛かる状態になるのを敷き寝具、ベッド、マットレスの機能で吸収しながら分散できる機能のことである。 この機能が充分でないものは身体の凸部分(仰臥時には主に肩甲骨部分と臀部骨盤部分、横臥時には主に肩と腕更に骨盤部分)に身体の荷重が集中して掛かる。それによってこれら部分の血流やリンパの循環を阻害し神経などの器官に圧迫を加える為に痛みや痺れの原因となり充分な眠りを得られなるばかりでなく、血流リンパの循環阻害の為に睡眠時の疲労回復などの生命活動にも多くの障害を引き起こすものとなる。こうした状態ではこの痛みから逃れる為に不必要な寝返りを強いられることにより深い眠りを持続させることが出来ず快適な睡眠が得られない原因ともなる。体圧分散機能の不十分な敷き寝具(敷き蒲団、マットレス、ベッドフレーム)の状態では同時に身体の凸部分が床面で吸収されない為に凹部(仰臥時では主に頚椎や腰、膝裏、横臥時では主に脇から横腹部分や首筋)は支えのない状態となり重力で下に下がろうとする力に晒される。この状態が凹部(頚椎や腰、膝裏、首筋や脇、横腹部分)への痛みや苦痛を発生させこれから逃れる為に不必要な寝返りや不自然な寝姿勢を強要され快適な睡眠の障害となったり睡眠時や寝起き時の身体の各所の痛み苦痛を生み出す原因となっている。 体圧分散とはこうした睡眠時の状態で身体に掛かる圧力=体圧を文字通り分散することである。 従って求められるのは身体の圧力が掛かり易い部分=凸部を吸収し同時に支えがなく重力で下に落ちる圧力に晒される凹部分を支持して身体に掛かる圧力を均等に掛かる様に分散することである。 この働きは仰向け、横寝等睡眠中に人が取る様々な寝姿勢に応じて柔軟に機能する必要がある。 その機能=体圧分散には人の身体の構造から2種類の分散機能が求められることが分かる。 1つは骨格に掛かる荷重の分散、即ち立っている姿勢の人の骨格状態の実現が必要であり 2つは肉体に掛かる圧力の分散 こちらは骨格の周りを形成する柔らかい肉体部分への圧迫を分散し開放することで血流やリンパの流れを妨げず、また神経等への圧迫も緩和して痺れや痛みを伴わず快適に寝続けることが出来る状態の実現。 このような理想的な体圧分散はどうすれば実現するのでしょうか?
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通常ベッドフレームは サイズや収納力、色やデザイン等で選ばれている。此れはベッドフレーム自体には快適に眠ることと直接結びつく機能が無いことからくる必然的な帰結である。 通気性が良いという、うたい文句のすのこ状の床板を使用するベッド類も同様である。寝心地とは直接関係のないものである。 一部に金属のコイルなどを内包したベッドベースが見受けられるが此れ等もそのうたい文句でも上部のマットレスの振動等を吸収するという程度のものである。 これらはその他の家具、台所やリビングルームの家具を選ぶ際の判断基準と変わらないものである。 だが買って使用し始めると分かることは、常に目にするリビングルームの家具などと違い、寝室の家具は目にしながら使うものではなくまた通常来客等他人に見せるものでもないということである。 また売り場のようにベッド単体の裸状態で使用するものでもない。凡そ掛け蒲団やベッドカバー等を掛けて使用すればフレームの色等は目にするものでもなく、ヘッドボード位が見えているというのが殆どの状態ではないだろうか? このようにマットレスを載せる台という機能しかないベッドフレームではその見た目のデザインや色目等が選ばれる基準である。 だが一方で寝心地即ち体圧分散機能のあるベッドベースも存在する。ヨーロッパで広く普及している木を重ねて(積層にして)そり状にしバネ機能を持たせた所謂ウッドスプリングのベッドベースである。 この種のウッドスプリングベッドベースは見た目や形ではなく直接の寝心地に直結する機能を有している為に外見ではなくその素材やスプリング性能を実現する機能や部品がベッド選びの重要なポイントとなる。 この意味でベッドの選び方は決定的に違ってくる。私達が”日本の睡眠と日本人の眠りを変える”といっている主張の一端も実はここにある。 また”売るときに良い物”(見た目、格好良さや豪華そうなフレームやヘッドボード、マットレスの生地やキルティング等)でなく”使って良い物”という私達の主張の根拠でもある。 フレーム自体に眠りや睡眠時の人の身体に負担を掛けない機能があるかどうか?まづは一番大事なこのことを基準に考えないと買った後で”買ったときは高かったのに。。。”というお馴染みの声を聞くことになります。 自分は何にお金を出すのか?何を求めて、あるいは何を実現したくて買おうとしているのか?この一番大事なことを今一度しっかり吟味することをお奨めします。 |
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マットレスを選ぶ際の判断基準で“硬いマットレスが良いか、それとも柔らかいマットレスが良いか?”ということをよく耳にする。 結論はこの二者択一の中に正しい結論は無いというものである。 その理由は人の身体の構造にある。人が眠る為に横たわる姿勢では仰向けであれ、横寝であれベッドマットレスに接し圧力の掛かる面には凹凸がある。 この為に身体の凸部に大きな圧力がかかり易くなり一方で凹部分には支えが必要となる。ここでは硬いものでも柔らかいものでは果たせない機能が求められる。 即ち吸収と支持という2種類の機能が同時に求められるからである。このふたつの機能を同時に発揮する物質は非常にまれである。そのために多くのマットレスはいくつかの物質を組み合せることによって これら機能を発揮させようとしているが充分なものはほぼ見受けられない。硬いマットレスでは身体の吸収がされず痛さや苦痛で充分な安眠が取れないだけでなく起きてからも腰や肩等からだに痛さを発生させることも多い。 一方で柔らかいマットレス(代表的なものは低反発のマットレス等)では身体の凸部は吸収されるものの、その低反発故の反発力の弱さから身体の凹部に対する支持が無い(若しくは弱い)為に睡眠時に腰痛や苦痛を感じ安眠を妨げたり寝起き時から腰痛を発症させたりする原因ともなる。 |
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一つは文字通り硬いものフローリングや畳、もしくはスノコ板等に直寝するのが身体に良いと信じていたり、あるいは腰痛持ちの人が整形外科の医師や整骨院で教えられて苦痛と闘いながらこうした睡眠環境で寝ている例も多々見受けられる。 何故か?こうした環境を勧めたり、受け入れる考えの背景には柔らかいマットや敷寝具では身体が“く”の字を左90度回転させた様な状態に曲がるので腰に余分な負担が掛かると信じていることがあるようだ。 では実際にはどうか?硬いものの代表的なものとしてフローリングに直寝した場合の人の身体に掛かる圧力がどのようになっているかを精密な測定によって見てみよう。 左図は上がフローリングに仰向け寝、下がフローリングに横寝した姿勢を測定したものである。 一目でわかることは仰向け寝、横寝どちらでも身体の凸部に圧力が集中し同時に身体の凹部には支えがない状態であること。 仰向け寝では肩甲骨と尻の骨盤部分に圧力は集中して偏在し同時に腰は接地していない為に計測できていない状態。 横寝でも同じく肩と骨盤に圧力は集中し、腰にあたる横腹は接地していない同様の状態であること。 このことが長時間の睡眠中に身体にどの様な影響を与えるかはこうした環境で寝た経験のある人には容易に想像のつくことである。 即ち仰向け寝では肩甲骨と尻の骨盤に体圧が集中し痺れや痛みを生み同時に支えの無い腰は下へ下がろうとする重力に晒されて自然なS字を描く骨格に大きな過重を掛け続ける。この事は同時にこの骨格と結びつく筋肉にも 不自然な力を加えることとなる。横寝では肩や二の腕と骨盤に体圧は集中して血流やリンパの流れを阻害し痺れや痛みを生み、腰にあたる横腹には支えなく下へ下がろうとする重力に晒され続ける為にこちらは自然な一直線の 骨格に不自然に下へ下がる力が加え続け同時にその骨格と結びつく筋肉共々に苦痛や痛みを感じる状態となる。 多くの人がこうした状態で眠り続けることが出来ず不必要な寝返りで眠りを覚醒させたり、この苦痛から逃れる為に上半身は仰向け状態より90度に捻りながら下半身は更に90度捻って尻を上に向け寝るなどの不自然な寝姿勢を 取るのもこうした苦痛から逃れようとする現れである。こうした寝姿勢では十分な深い眠りが取れず同時身体には絶え間ない苦痛や痛みを伴い寝起き時は腰、肩、腕、肩、首筋にまで痛みやこわばりを感じながら起きあがる状態は こうした体圧分布に近い人ほどより顕著に表れている。 |